天皇の料理番続き

天皇の料理番には宮殿の見取り図がでています
この長い廊下を運んでいるうちに料理がさめるであろう、、と 台詞にありましたが、、
この宮殿とは明治宮殿
1945年全焼
1968年(昭和43年)に現在の宮殿(新宮殿)が建設 と Wikipediaにでています
なので、今の宮殿はもうあたらしいものにかわっています
豊明殿は前のにも、今の宮殿(皇居という)にもあるようです(現在の915平方メートル最大600名の席を設置することが可能と Wikipediaに)
晩餐をおこなう広い部屋は豊明殿 食前は春秋の間だそうです(と下の本に)
ところで、2000人の御即位の御大礼は 原作の献立には於京都二条離宮大響宴献立とかかれています
ドラマのスタッフの山田順子先生のコーナーでは
http://www.tbs.co.jp/tenno_no_ryoriban/times/vol09.html
二の丸御殿の北側庭に宴会場と厨房を建てその後取り壊されたと 
また、実際にフルコースを食べたのは200人くらい。残りの1800人は夜会への出席
とでていました





さて、

”もしも宮中晩餐会に招かれたら―至高のマナー学”をよみました
ずいぶんと勉強になりました
1970年より宮内庁管理部大膳課に勤務されている方の御著書です


天皇の料理番 ドラマ中では2000人の大宴会(実際には50〜100人くらいは写っていたかもしれませんが、、、
こぼれ話によると2000人が晩餐出席ではなかったそうですし、別会場だからしきたりも別だったかもしれませんが)
スープは給仕が皿にいれ、
鶏肉も給仕がお皿にいれていましたが、
この本によりますと本当は宮中では 自分でとるのだそうです
だからスープも自分でいる分だけすくう
お肉も自分でいる分だけとるのだそうです
だから アイスクリームも 富士山の形から 自分でいる分だけすくってとったのですね きっと
(ちなみに冷たいデザートはスプーンがすっと入る固さに調節された状態ででてくるそうです)


ご本によると
スープは具が底のほうにあるからといって、かきまわしながらすくう などということはしてはいけない
と書かれています
給仕は片手でナイフとフォークをあやつりサーブしますが、
一般人は両手でやっていいそうです といいますか 両手でやるものだそうです
そのときに 菊の御紋のはいったテーブルクロスにソースをたらさず、しずしずとやらねばならないそうです
1人のお席は75cmくらい
絵がかかれていて テーブルのセット 例えば、
フォーク3本 グラスは5つもならべてあるのが書かれています
ドラマにもでて来た5〜6人分盛りつけられた大皿ですが、
”大皿には人数分よりも多めにもりつけられているので、人数分をかんがえてとると、多すぎる”ということになるそうです
とったものを残すのは好ましくないことだそうです
食べられる分だけとるのがマナー
おかわりしたければ、またもってきてもらえる
そして 主賓が食べ終わり、陛下もたべおわられた時に 一斉にお皿がさげられる
だから、ちんたらと大皿からとっていたら おなじテーブルの人に迷惑がかかる ということですね

さて、
ドラマでエキストラは外国人も多く、それっぽく座ってお食事はできるでしょうが、自分でお料理をとるのは超難易度の高いことです
ということで、
ドラマでは給仕さんがいれているのでしょう
さて、
私は宮中で骨つき鶏肉なんて たべられません(そこまでナイフ フォークに技術がない まあ、どうせおよばれしないからいいですが、、)とおもっていました

ご本によると 宮中晩餐会は高齢者がおおいので 固い肉はでない 
肉も骨からはがしてスライスし またもとにもどして焼き直す
等の加工がほどこされてあるそうです



午餐とは昼食会のこと
晩餐が夕食ということもしりました


そのほか 以下のこともでていました。著作権がありますので、内容はかいつまんだところだけ、、
招待状のこと
服装のこと
スープの飲みかた(具が皿にのこってしまったらどうするか)
スプーンやグラスが(普通のレストランのと)違うこと
普通は魚の骨は取り除かれているけれど もしも、のこっていて 口の中にあったらどうしたらいいか、
ワインはグラスを持ち上げていれてもらったらいけないし、グラスをもって、ワインを混ぜる等はしてはいけない(飲み頃の調整済みだから)
料理をどのように取り たべたらいいか
パンをソースにつけていいのか
グリーンピースの食べ方
ソースが2種でて来たら(もちろん自分ででとるのですが、)
たべられないメニューがきたらどうする
上手な大皿からのとりかた(ソースをたらさずに)
普通のレストランよりずっと豪華なフィンガーボール
手でもって食べていい果物 
さくらんぼの種はどうするのか
で、アイスクリームやシャーベットがおわったら
コーヒは別室だそうです デミタス珈琲とプチフール



最近でた天皇の料理番ムックの西川さんのインタビューに
”外交の世界では格付けし、格差をつけるのはあたりまえなのだけれど、
皇室のもてなし方は世界でも類をみないもので
格付けと格差をどの方にたいしてもつけず、平等に最高のもてなしをする” 
とかかれていました。
大きさのそろった食材をあつめる ということは、その席上においても
主賓も、末端の人までもを平等に同じ食事でもてなす、という意味があるのかもしれませんね
首相官邸では格差をつけた外交を
皇室ではそれとは、全く違った外交が展開されている
ということですね
今まで皇室はかなり遠い存在だったのですが、
この番組を通しいろいろなことを学び、
そうした天皇陛下がおられる日本であることを知り誇りに思いました。