NHKプレミアムステージ 子午線の祀りをみての覚書

 子午線の祀り

NHKBSプレミアム 『子午線の祀り』10月2日(月)0:00~  

 2017年 世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演のようだ

 

野村萬斎の演出

 読売演劇大賞の最優秀作品賞を受賞

 新演出だそうだ

 

1184年一ノ谷の合戦〜壇ノ浦まで

祀りとはレクイエム

あの世からの声をうけてお芝居をする 天からのメッセージをうけとりましたよね

という演出だそうだ

イメージとして 人をGPSを使ってその合戦場に時空を超えて ピンでそこの地球上の点に固定したような というようなことをインタビューでこたえておられました

 

 

作 木下順二

演出 野村萬斎

出演

野村萬斎  新中納言知盛 平家の大将のひとり 主役

成河   九郎判官義経 源氏側 赤い衣装 (若く兄に疎んじられると周りが諫めるも兄は自分をしんじてくれるとおもいつっぱしってしまう)

河原崎國太郎 大臣殿宗盛 知盛の兄・平宗盛 本当はトップなのだけどけっこう小心者

今井朋彦  梶原平三景時 源氏側の家来 兄頼朝から依頼された義経の監視役みたいな人

村田雄浩 阿波民部重能 平家川のえらいさん 四国の豪族

若村麻由美  影身の内侍  知盛の恋人 知盛の心の声を兼ねる?

       劇の真ん中で最初のような若村の朗読あり(第3幕のまえ)

観世葉子 二位の尼  知盛の母?かな

星智也 武蔵房弁慶

小嶋尚樹 伊勢三郎義盛 義経の配下

佐々木梅治 三浦介義澄 壇ノ浦の潮の流れをみた人 義経に採用される

遠山悠介 三郎左衛門影経 平家方

 

 

野村萬は演出と主役・知盛を兼ねる

 声を合わせて読む「群読」という手法がとりいれられているのが特徴らしい

 

 

最初は暗いところから 蝋燭

野村萬斎の声がひびき そこから

現在からふーーと演劇の時代へと

 

セリフの調子はまるで シェイクスピアみたいな

決め台詞の言い方 動きは歌舞伎みたいな

台詞は古風で 現代用語ではない 古文みたいな

調子 リズムはとてもよく 耳にはいってきやすいのだけれど

ともすると 意味を理解するのがついおくれてしまう

 

セットはシンプル 想像力をかきたてるシンプルさ

奥に階段 手前にはレコードのような丸い模様

音楽には日本固有の笛などの楽器

 

時に神社でみられるような舞のシーンもある

歌?音楽もその舞にふさわしいもの

日本独特のこの演出は外国で受けそう

 

かというと 貧しい身なりの群像が取り囲むのは

ラマンチャの男をおもいだした

 

衣装は和風で 平安風だけれど

動きやすくちょっと現代的にアレンジしてある

衣装の生地はかなり和風で上等そう

 

うーん やっぱり

「群読」は聞き取りにくい

教会でのみんなでの聖書の朗読をおもいだしますな

 

 

壇ノ浦の合戦

最後に阿波民部重能が裏切る 息子は源氏方についていた

 

平家 海に身投げは ダンスでもないけれど

ちょっと歌舞伎風の動きで表現

 

主役の身投げは 美しく片手をあげて 影身よー で消える

 

最後 若村麻由美の朗読でおわり 蝋燭 最初の出だしとリンクする

 

 

最初のNHK番組としての解説がおもしろかった

 

 木下順二は 

 平家物語を人間の争いや葛藤を天体の動きと関連づけて 宇宙的スケールに書き上げた

 

1979年初演 伝統芸能と新劇をミックスして公演した

宇野重吉 新劇

 観世 栄夫 能

 高瀬 栄一郎 歌舞伎

 酒井誠 ラジオドラマ 朗読

 木下順二 作者

5人による 共同演出

 

出演は 

嵐圭史  歌舞伎 知盛

観世 栄夫 能 宗盛

野村万作 狂言 義経

滝沢修 新劇 阿波民部重能

山本安英 新劇 影身の内侍